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日本でのピアノ教育はドイツ・フランスピアニズムが主流となっています。現代のピアノ以前の鍵盤楽器と同じ弾き方=音が鳴った瞬間の基音で演奏されるため、音の立ち上がりはクリアではありますが大きなホールで聴くと最後列まで響きが届きません。

ロシアではピアノという楽器が現代の構造に近くなってから普及したこともあり、現代ピアノに適した奏法を確立していったと考えられています。ロシアピアニズムの特徴は、まず倍音の響かせ音色による表現をすること。完全に脱力された身体の使い方で生み出される響きは、色彩豊かな音色を持ちます。

  

私が基音で演奏していた頃は、何かが違う!といつも違和感を感じていました。今思えば、指をいい証券名動かし、一つ一つの音をクリアに粒を揃えて=下部雑音のオンパレードで倍音も美しさもない音でした。

ロシアのピアニストが国際コンクールで入賞することに何か秘密があるのではないか?と考えロシアピアニズム(現代ピアノ奏法)の勉強を始めました。

ロシアピアニズムの勉強を始めて、耳の使い方が違う、身体の使い方が違う、何より打鍵が違う=発音の仕方が違う、今までのレガートは本物のレガートではなかった!様々な発見がありました。それまでの奏法の癖をとるのは時間がかかりましたが、自分の演奏が変化していくことが何より嬉しく、身体の使い方が変わることで弾くことが楽になりました。私のように体も手も小さくても無理なく、ffからppまで表現できます。

世界的に活躍するピアニストの多くは、音色の豊かさと合理的な奏法を持ち合わせていると思います。現代ピアノの魅力を最大限に引き出す奏法がロシアピアニズムと考えております。

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